ときどき椎名町の風景を思い出す

ふるい駅舎で雨、激しい雨だった。それは正確に昭和52年の池袋から椎名町までの車窓からの風景でなくてはならない。物語の背景の話だ。歴史は逆走できないから、池袋の巨大なあのビルは完成していない。それは池袋の話で、椎名町とは直接関係はないのだけれど。

激しい雨の椎名町の小さな駅舎で、僕は彼女と一緒だった。そして偶然、保科君と会った。彼もまた椎名町の住人だったからだ。僕らは一緒にいるときに本当によく保科君と出会ったけれど、そのときが一番最初だったのだ。

 

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